オーストラリアが16歳未満の子どものSNS利用を禁止する法律にYouTubeを加えたというニュースは、私たち日本の保護者にとっても他人事ではありません。特に、YouTubeやTikTokといったSNSは、今や子どもたちの「推し活」の場となり、音楽やクリエイターとの交流に欠かせないツールとなっています。しかし、その裏には、保護者が知らないと危険なリスクがたくさん潜んでいます。
この記事では、子どものスマホデビューを控えている方や、すでに利用しているお子さんを持つ方に向けて、SNSに潜む落とし穴と、私たち保護者ができる具体的な対策を解説します。
1. オーストラリアがYouTubeを規制対象にした理由
当初、「教育的」として規制の対象外だったYouTubeが、なぜ規制されることになったのでしょうか。その背景には、サイバーいじめや有害なコンテンツ、詐欺被害など、子どもたちがSNS上で遭遇する問題が深刻化していることがあります。
特に音楽コンテンツにおいては、過激な歌詞や差別的な表現、犯罪を助長するような映像が含まれていることも少なくありません。こうしたコンテンツが、子どもの倫理観や価値観に影響を与えてしまうリスクが指摘されています。
2. 「推し活」がトラブルの元に?SNSに潜む課金と詐欺の罠
今や、子どもたちにとっての「推し」は、テレビの向こうのアイドルだけではありません。YouTubeやTikTokで活躍するクリエイターやインフルエンサーに憧れる子どもが増えています。
しかし、SNSでの「推し活」には危険な罠も潜んでいます。
- 課金のリスク: ライブ配信や動画投稿サイトでは、配信者に「投げ銭」や「スーパーチャット」という形で課金できてしまう仕組みがあります。保護者の許可なく、子どもの興味から高額な課金をしてしまうケースも少なくありません。
- 詐欺のリスク: 「推し」に関連した限定グッズやチケットの購入を装った詐欺被害も増えています。偽のサイトに誘導され、クレジットカード情報などを入力してしまうケースもあります。
- 不適切な表現に触れるリスク:個人が簡単に音声や映像を投稿したり配信できる一面第三者による内容確認がないままSNSに投稿されます。暴言や差別表現、著作権違反などがある表現を子どもたちが聞いてあまり意味がわからないまま不適切な時と場所で使うことでトラブルになるリスクがあります。特にゲーム配信はゲームをしながら実況しているので配信者の素の言葉遣いが出ておりあまりいい表現や言葉遣いをしていないことがあります。
3. 子どもにデジタル機器を渡す前に、必ず話し合うべきこと
デジタル機器やSNSは、子どもたちの可能性を広げるツールである一方で、使い方を間違えれば危険な道具にもなります。だからこそ、子どもにデジタル機器を持たせる前に、親子でしっかりとルールを決めておくことが大切です。
- 利用時間や利用場所のルール: 「夜9時以降は使わない」「食事中はテーブルに置かない」など、具体的なルールを決めましょう。簡単に娯楽を得られるデジタル機器は中毒性が高く、親子で意識しないと利用を制御できません。特に食事中や歩きながらのスマホは保護者もしていないか自分の行動を思い返しましょう。子どもたちは保護者がしていることをどうして子どもはしてはいけないのかと納得しないとルールを守りません。
- プライバシー設定の確認: アカウントを作成する際は、必ず保護者が一緒に設定を確認し、公開範囲を限定するなど、個人情報が流出しないように注意しましょう。オーストラリアでは16歳以下のSNSのアカウントの作成そのものが禁止されることになりました。
- 困ったときの相談相手: 「何か困ったことがあったら、必ずお父さんお母さんに相談してね」と伝え、子どもが安心して話せる環境を整えましょう。困ったことがなくても日ごろのコミュニケーションを密にしておくことで問題が起きる前や小さいうちに相談しやすくなります。
4. 親子で実践!有害コンテンツから子どもを守る3つの対策
「うちの子は大丈夫」と安心せず、子どもを危険から守るための具体的な対策を実践しましょう。
- 1. YouTube Kidsやペアレンタルコントロール機能の活用 YouTubeには、子ども向けの動画だけを厳選した「YouTube Kids」アプリがあります。また、YouTubeやTikTokには、保護者が子どもの利用を制限できるペアレンタルコントロール機能が備わっています。これらの機能を活用することで、有害なコンテンツから子どもを守ることができます。
- 2. フィルタリング機能の有効化 携帯電話会社が提供しているフィルタリング機能を活用することで、アダルトサイトや暴力的なコンテンツなど、子どもにふさわしくないサイトへのアクセスをブロックできます。子どもが入れようとしているアプリも保護者が許可しないと入れられないようになっています。
- 3. 有害な情報の見分け方を一緒に学ぶ フェイクニュースや誤った情報にだまされないように、親子で一緒に「これは本当かな?」と考える習慣をつけましょう。信頼できる情報源を見つける練習をすることも有効です。
まとめ:大切なのは、一方的な禁止ではなく「対話」と「ルール」
SNSの利用を一方的に禁止するだけでは、かえって子どもが隠れて利用し、危険な目に遭ってしまうこともあります。大切なのは、子どもと一緒にSNSについて学び、対話を重ねることです。
「推し」について一緒に話したり、どんな動画を見ているのかを聞いたりすることで、子どもの興味を理解し、危険なサインをいち早く察知できるかもしれません。SNSと上手に付き合い、子どもが安全にデジタル社会を楽しめるように、私たち保護者がサポートしていきましょう。
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