ストリートピアノ初心者におすすめの曲10選|ブランクがあっても大人に弾きやすい選曲法(原曲キー・調号・コード進行つき)

コード進行で左手簡単ストリートピアノ ストリートピアノ挑戦ガイド

・用語解説:音楽の基礎知識

  • 長調(Major)と短調(Minor):曲の雰囲気や印象を決める「調」のことです。長調は明るく、元気な印象になり、短調は少し切なく、落ち着いた印象になります。
  • 調号:楽譜の最初に書かれている「♯(シャープ)」や「♭(フラット)」の記号のことです。この記号があることで、「この曲を演奏する際は、楽譜に書かれていなくても特定の音を常に半音高く(♯)または低く(♭)弾いてください」というルールが示されます。
  • コード進行:曲の伴奏部分を構成する和音(コード)の流れのことです。音楽の雰囲気を支える土台のようなもので、同じメロディでもコード進行が変わると全く違う印象に聞こえることがあります。例えば「C → G → Am → F」というコード進行は、多くのポップスで使われる定番のパターンです。

YouTubeでストリートピアノを見て「自分も弾いてみたい」と思った方へ。
最初の壁は「どの曲を弾けばいい?」という選曲です。ブランクがある大人に大切なのは、弾きやすくて聴き映えすること、そして最後まで通せること。ここでは、初心者でも取り組みやすい10曲を、原曲キー/調号(どの音が♯や♭になるか)/主なコード進行とともに紹介します。
※進行は標準的・入門的な解釈に基づく簡略版です。楽譜や編曲により異なる場合があります。


おすすめ曲リスト(原曲キー+調号+コード進行)

① カノン(パッヘルベル)

  • 原曲キー:D major(ニ長調)
  • 調号:シャープ2つ(F♯, C♯)
  • 主なコード進行:D → A → Bm → F#m → G → D → G → A(循環進行)

誰もが知っているクラシックの定番曲。低音パートが同じパターンを繰り返す『循環進行』が特徴です。多くの楽譜で、左手はこの循環進行を簡略化して演奏します。左手の繰り返しパターンが安定感を生み、右手の分散和音だけでも十分映えます。

 

② 戦場のメリークリスマス(坂本龍一)

  • 原曲キー:E♭ major(変ホ長調)
  • 調号:フラット3つ(B♭, E♭, A♭)
  • 主なコード進行:E♭ → Cm → A♭ → B♭ → E♭(静かなバラード進行)

テンポを落として音を大切に。サステインを活かすと雰囲気が出ます。

③ 春よ、来い(松任谷由実)

  • 原曲キー:E major(ホ長調)
  • 調号:シャープ4つ(F♯, C♯, G♯, D♯)
  • 主なコード進行:E → G#m → A → B → E

世代を超えて愛される名曲。イントロは難しそうですが繰り返しが多いのでそこまで難しくない。右手メロディを歌心で。左手はルート+5度の簡易伴奏でも十分。

④ タイム・トゥ・セイ・グッバイ(サラ・ブライトマン)

  • 原曲キー:B♭ minor(変ロ短調)
  • 調号:フラット5つ(B♭, E♭, A♭, D♭, G♭)
  • 主なコード進行:B♭m → G♭ → D♭ → A♭ → B♭m(荘厳なマイナー進行)

和音は厚くしすぎず、低音の出し過ぎに注意すると上品にまとまります。メロディを大切に。

⑤ となりのトトロ(久石譲)

  • 原曲キー:C major(ハ長調)
  • 調号:なし(♯も♭もなし)
  • 主なコード進行:C → G → Am → F → C → G → C

会場が和む鉄板曲。左手を跳ねさせすぎず、レガートでまとめると上品。

⑥ 海の見える街(久石譲 / 魔女の宅急便)

  • 原曲キー:F major(ヘ長調)
  • 調号:フラット1つ(B♭)
  • 主なコード進行:F → Dm → Gm → C → F

分散和音とアルペジオが映える曲。ペダルは薄めで透明感を。

⑦ アイネ・クライネ・ナハトムジーク(モーツァルト)

  • 原曲キー:G major(ト長調)
  • 調号:シャープ1つ(F♯)
  • 主なコード進行:G → D → G → C → G → D → G

スタッカートとアクセントを丁寧に。テンポよりも粒立ちが命。

⑧ Pretender(Official髭男dism)

  • 原曲キー:G♭ major(変ト長調)ただし、ピアノやギターの弾き語りでは、G majorに移調して演奏されることも多いです。
  • G majorの場合
  • 調号:シャープ1つ(F♯)
  • 主なコード進行:G → D → Em → C → G → D → G

分数コードは省略可。リズムのハネ感を出すと一気に“らしく”なります。

⑨ ベテルギウス(優里)

  • 原曲キー:B major(ロ長調)
  • 調号:シャープ5つ(F♯, C♯, G♯, D♯, A♯)
  • 主なコード進行:B → G#m → E → F# → B

繰り返し構造で暗譜しやすい代表格。左手はルート→4度進行の手癖でOK。

⑩ 翼をください

  • 原曲キー:G major(ト長調)
  • 調号:シャープ1つ(F♯)
  • 主なコード進行:G → Em → C → D → G

会場が口ずさみやすい名曲。テンポは速すぎないほうが“合唱感”が出ます。


体験談:『ベテルギウス』で“暗譜できた”が自信になった

私がストリートピアノに本気で踏み出せたのは、優里の「ベテルギウス」を練習したのが大きかったから。
コード進行が分かりやすく、左手はルート中心・右手は歌えるメロディ。繰り返すうちに自然と暗譜でき、「楽譜がなくても止まらず弾き切れた」体験が飛び込み演奏の勇気につながりました。


選曲と演奏を成功させる3つのコツ

  1. 好きな曲を選ぶ:思い入れが継続力を生む。迷ったら“今いちばん弾きたい曲”。
  2. 左手はシンプルに:ルート+5度で十分。分散和音は後から足す。
  3. 暗譜を目指す:完全でなくてもOK。Aメロとサビだけでも暗譜すると本番が安定。

まとめ

ストリートピアノはコンクールではありません。
難易度よりも通しで弾ける曲を、楽しそうに届けることが一番の魅力。今回の10曲は、ブランクがあっても挑戦しやすく聴き映えも十分です。
まずは1曲、あなたの“いま”の気持ちを音にしてみてください。小さな成功体験の積み重ねが、あなたを見る側から弾く側へ連れて行ってくれます。

※「著作権について」

記事で紹介しているJ-POPなどの楽曲には著作権があります。YouTubeやSNSに演奏動画を投稿する際は、各プラットフォームのガイドラインをご確認ください。


注:キー・調号・進行は入門者向けに簡略化した一般形です。楽譜や編曲により異なるため、実演時は使用する譜面の指示を優先してください。

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